植物の色変化のお話

小さな花がたくさん集まっているランタナ(七変化)というお花を見つけて、不思議だな~と検索される方も多いのではないでしょうか。

今日は植物の色のお話をランタナやアジサイ、くちなし、バラの花などを取り上げていきたいと思います。

ランタナ(七変化)

写真は鹿児島県指宿市にあるフラワーパークに咲いていたランタナです。

皆さんが普段見られているランタナと色が違いませんか?

赤が濃いんです。このランタナは植物と色の関係において研究を続けてこられた先生にお見せしたところ、「赤い品種」ではないか…との話もありましたが、赤い花の奥に移っている花が(ぼやけてはいますが)関西などで見かけるランタナ(七変化)の色と似ています。

ランタナといえば、黄色⇒オレンジ⇒赤みがかったオレンジ⇒赤に近くなる、色がまさしく七変化する植物です。

私はとってもランタナが大好きで、色が変わっていく様をいろんなところで見られてすごくうれしいのですが、一部ではうっかり植えると大きくなりすぎて困る、増えすぎるから邪魔になる、という声もよくあるのだとか…(フラワーパークのガイドさん談)

しかし、鹿児島フラワーパークでは職員さんたちもランタナがとても好きだそうで、いろんなところで見られました!しかも売店で苗も販売されていましたよ。

アジサイ

色に注目が集まる話でいうとアジサイが有名ですよね。

アジサイの色素はアントシアニンで赤、青が表出します。

土壌中にはアルミニウムが存在し、土壌が酸性にかたよるとアルミニウムが溶け出してその成分を吸い上げます。アジサイの花(正しくはがく)に移行すると、表出する色は青になります。

土壌がアルカリ性の場合、アルミニウムは不溶性のため吸収されずに赤や桃色となります。

そのため、赤のアジサイ、青のアジサイ専用の肥料があったりします。肥料によって土壌の酸性アルカリ性に影響して花の色を変化させることができます。

くちなしの花

いろんな植物において、お花が咲いてから時の経過により一般的に色素量や濃度変化で、色も濃くなることがあります。くちなしの花も、咲きたては真っ白ですが、時間がたつと強い香りを放ち黄色⇒茶色に変化します。

くちなしの色変化もとても面白いです、劣化で痛んでいるから色が変わった、という認識で終わってしまえばそれまでなのですが…それは色素としてはどうなっているの?と疑問を持つだけでも街で見かける何気ない植物にも関心がわきます。

バラの色変化

バラの花の色変化で面白いのが、アンネフランクという品種。

アンネのバラの教会(兵庫県西宮市甲陽園)のバラのお庭。アンネのお父様から寄贈されたバラから増やしたバラたちです。※5月連休あたりに満開を迎えます。

蕾の時は赤色、開花するとオレンジ色に黄色がかったいわゆる黄金色で、さらに時間の経過とともに日差しを浴びて、花弁の先から次第にサーモンピンクに変色し、さらに濃く変色して赤色に近くなります。 色の変化は寒暖の差が激しいほど鮮やかで冴えます。

引用:アンネのバラの協会ホームページ【アンネのバラ】https://www.annesrose.com/index.html

咲き終わりまでたくさんの色変化が起こります。

この色変化の色素の変化はどんどん調べていくと面白いのですが、その色変化が「なぜ起こる」のかについては、遺伝的にその植物一つ一つに組み込まれているもので、それぞれがいろんな理由によるものである、とのことです。

遺伝的に組み込まれている、ということは、生きるために必要だったということなのでしょう。

カナメモチの木

例えば、若芽が真っ赤な植え込みの木があるのを見たことがありますか?

カナメモチの木で、最近レッドロビンという品種が植え込みに採用されていて、よく見かけます。

※画像引用:https://www.uekipedia.jp/%E5%B8%B8%E7%B7%91%E5%BA%83%E8%91%89%E6%A8%B9-%E3%83%8F%E8%A1%8C/%E3%83%99%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%A1%E3%83%A2%E3%83%81/#google_vignette

基本きれいに刈り込まれた垣根は緑色ですが、若芽が成長すると赤い葉が混ざります。5月の新緑の時期にクリスマスカラー??と思ってしまいました。

でもこの若芽が赤い理由は、アントシアニンという成分が関係しています、まだ弱い若い葉を紫外線などから守る役割を果たしています。

植物が生き抜くための仕組みですよね。それぞれの植物の進化の過程でその遺伝情報が必要だったと考えると、なんとも奥深いと思いませんか?

まとめ

ざざっと、植物の色に関する情報を載せてみました。答えは【遺伝子的に】という内容が多くて、色素がどのように変化したのか、という内容までは追えないのですが、植物の色、特に花の色に関するロマンは果てしなく続きます。ひまわりの花の色一つとっても、オレンジ味が強い品種、明るい黄色の品種など様々な品種が改良によってみられるようになっています。

青のカーネーションがサントリーから発売されたときも話題になりました。

皆さんも、身近に見かける花の色、気になるものがあればぜひ情報をくださいませ。お待ちしております。