銀座のザクロ(銀座一丁目奥野ビル)

1枚の写真をいただきました。(お写真ありがとうございます)

銀座といえば、私もかつて東京方面に住んでいたころは、都会!というイメージしかなく建物は多く、最新の街であるという認識でしたが、中には奥野ビルのように素敵な古いビルや建物の姿を残しているところもあります。

(もちろん、これは銀座に限った話ではないですね。よく見ると古い建物を大切に保存をされている様子は見られます。)

今回はこの古いビルの前に植えられた樹木。これはザクロだそうです。

いわゆるシンボルツリー。

ザクロの実が赤くなるのをみて、銀座の皆さんは季節を感じておられるようです。

皆さんの身の回りに、この花が咲いたら”春をかんじる”とか、季節を実感できるようなシンボルツリーはありますか?

緑化(社内にグリーンを)

あまり、植物のことをグリーンと呼ぶのはいろんな理由があって嫌なんですが…今日は社内グリーンの活動をご紹介します。

先日、会社内に緑が欲しくて『水草』を設置している、とお話してくださった方がいました!

会社に植物が育つ環境があれば是非社内で育てたらよいと思う!と私は大賛成であり、そして私が行っている社内の緑化活動も記事にしてみよう、と思いました。

(水草とても可愛かったので、写真をもらえばよかったと思いました)

社内に観葉植物をおいてみた

私がつとめている会社では、「社内に観葉植物を置きたい」という声が上がりました。デザイン会社に勤めているので、商品写真とりなどの時も、植物が背景になっていたりしたらきれいだし、なにより植物あるだけで、いい感じの空間になるやん??(関西弁)ということで…

まずはこの子。かった鉢のサイズが大きすぎたのでカバーのように使っていて、普段は中の植木鉢が見えないようにココヤシファイバーで隠すことにしました。写真はファイバー不使用です。

その後どんどん増えまして。

というか、どんどん増やしました。

植物あるあるかもしれませんが、どんどん増えますよね。

まずは、この後に社員が備品を買いに行ったホームセンターでもう一つ大きな鉢を購入してきました。

奥に見えている、大きな白い鉢皿にのせられているのが、あとから来た植物です。

手前の変わった葉模様の植物はコリウスです。緑と紫のコントラストがお花が咲いていなくても咲いているように鮮やかに見えるので、植物園でも花壇に並べて植えられていることもあります。事務所に来たばかりの時、枯れそうになったのですがそのあと、白い小さな花が咲き今はとっても元気です。

カラフルなミニ鉢(2.5号)に入っているのが多肉植物のハオルチアオブツーサです。咲くやこの花館出身です。

先ほど初めて設置したと書いた植物はエバーフレッシュ。一度、私が体調を崩して会社を数日休んでいる間に、葉ダニが大発生し、葉っぱがすべて枯れ落ちました。その時は会社のメンバーはなすすべなく、もう駄目なんだ…観葉植物って難しいね汗、と落ち込んでいましたが、植物って意外に強い。お薬使って一部生き残った葉を大切に世話している間に、今じゃ信じられないくらいの大きさに育っています。

高さも葉の茂り方も立派です。

コツは、重なり合い日が当たらない葉を作らないように程よく枝を切ってあげることです。エバーフレッシュは黄色のかわいいお花が咲くのですが、今年咲きません。

咲かなくてよかった…落ちたお花の掃除も結構大変なんです。

この子たちはそれほど大きくないのですが、左がハオルチアオブツーサ青竜の爪です(咲くやこの花館出身)。右は京都市西京区役所屋上出身の子宝草です。カイワレのように土の上に見えているのは、子宝草の葉の周りから落ちたこぼれ葉から成長したものです。どんどん増えるので見ていてとても面白いです。こだわりの鉢に入れて飾っています。

最後に、ベゴニア。

園芸大学の授業で、植物画を書く授業の時、小さな苗をいただいたのですが、元気がなくてもう無理かな~とあきらめていたのですが、枯れていく葉をしっかり積んで、お水も適度に挙げて話しかけていたら、かわいいお花がたくさん咲いてくれています。

背丈もどんどん高くなってきて、ベゴニアらしくなりました。

新しい葉は、日の光に当たるとキラキラとした質感でとてもきれいです。

ベゴニアの専門のお花屋さんが、東京の府中市にあります「花郷園」さんですが、名物社長がベゴニアの魅力を教えてくださったのですが、ベゴニアは品種も多く様々な葉模様や、花が楽しめます。

ベゴニアがとってもきれいに咲いているのは福岡市の動植物園(福岡市中央区平尾)でした。温室まるごとベゴニアで、真夏に花まっ盛りで見ごたえありました!

長々と、社内にある植物を紹介してしまいましたが、日々育てているのでかわいくてつい長くなってしまいました。

社内観葉植物の問題点

社内で観葉植物を育てようという場合私は問題点が2点あると思います。

  • コバエ
  • 長期休暇中の水やり

この2点ですが、コバエに関しては、解決策は

土を使わなくて済むハイドロカルチャーで育ちやすい植物を選ぶこと。

大型のハイドロカルチャーは私はあまりお勧めしません。土よりも育ちにくいような気がします。小型の観葉植物には適していると思います。根の様子が見えるのでガラスの器で育てることも多いです。(実は10年以上前にはまりました)

土によってはコバエの卵がもともとあって、またはたまたまいたコバエが、卵を産み付けて孵化することで大量発生することがあります。

湿度が高く風通しが悪い状態だと顕著に増え始めます。

会社の中って仕事するところですし、お客様が来たりするので、なるべく発生させたくないけど、もし湧いたときは観葉植物用の殺虫スプレーを用意しておいたり、木酢液などを土に直接流す(栄養にもなるそうなので万能ですね)方法も。

うちの事務所もコバエが発生しているので、土の表面にハイドロカルチャーを敷き詰めて今後に備えようかと思っています。

とりあえず、このような工夫も。

捕虫シート(Amazon)

植木鉢周辺に置いたら、朝になるとびっくりするくらいハエが捕獲されているので、画像は遠慮しておきます…

コツコツ駆除に有効です!

2点目の、水やりですが…

水切れでしおれても手遅れでなければ、しっかりお水を与えることによって復活は早いです。水のやりすぎの根腐れは取り返しつきませんが…

炎天下で数日なんてことになると、水を与えなければ確実にお亡くなりになりますが、室内で風通しの良いところでしたら、5日~7日くらいは大丈夫かな、と現状は思っています。(前回の夏休みは7日放置で大丈夫でした!

ただ、だれか近くの社員が様子を見に行った方がいいし、私なら旅行などに行っていなければ途中で見に行き、水をやります。

それぐらい、ペットと同じで大事にしないといけません。

そういう意味で、手間もかかりますが確実に部屋のイメージをよくしてくれるし、心理的にも何らかの効果を得られていることは間違いありません。「この子すごい大きくなったよね~」という会話が結構ありますのでコミュニケーションも取りやすくなりますね。

社内グリーン、やってみたいな~と思ってる方、強くお勧めします。

(枯れても落ち込まないようにしてくださいね。時にはからせてしまうこともありますので)

植物園が存在するわけ

全国に植物園がありますが、皆さんはなぜ各地に植物園があるか、考えたことがありますか?

私はつい何年か前まで、植物園にわざわざ足を運ぶことはなく、公園で草木を眺めたり、家で観葉植物を育てたりするぐらいでした。

初めて咲くやこの花館に行ったとき、各温室に栽培されている植物の美しさに感動したのを覚えています。

その後、ご縁あり咲くやこの花館で月一回のアートワークをさせていただくようになりました。

仕事で通ううちに、ふと【なんで植物園て各地にあるのかな?】と疑問に思いました。この時私は勉強不足としか言いようがありません…

植物園の歴史を見ていくうちに、関西でいえば

  • 100年の歴史を誇る「京都市植物園」
  • 50年の歴史ある「長居植物園」
  • 1990年に開催された国際花と緑の博覧会のメインパビリオンとして誕生した「咲くやこの花館」

それぞれに成り立ちが違い、そのあたりにも面白さを感じます。

植物園の役割

さて、植物園の役割ですが、

  • 生きた植物の収集・保存・展示
  • 植物の知識の普及と社会教育
  • 憩いの場を提供
  • 植物の調査・研究
  • 植物多様性の保全

植物園には以上のような役割があります(大阪園芸大学9月講義「植物園でめぐる世界の旅」島田有紀子先生の講演より)。

大体上から4番目までは、想像がつくと思います。5番目の植物多様性の保全というのは少しわかりにくいでしょうか。

植物はさまざまな環境下で育っています。その一つ一つが大事な命です。様々な環境下で育つ植物の中には、時代と共に数が少なくなっている絶滅危惧種も多く存在します。

多様な植物を一か所ではなく、分散させて保全する必要があります。そのため日本植物園協会では、横のつながりを活用して植物の多様性保全活動に力を入れています。そして全国の植物園が連携をして、各植物園の得意な分野や、気候などを活かしながら種の保全に努めているのだそうです。

参考:日本植物園協会ホームページー植物多様性保全事業 (内容)

最近は撮影スポットとして人気の植物園ですが、植物園の存在意義については以上のように大切な種の保存を担っているのです。しかもさまざまな植物関連のイベントや展示をとおして、市民の憩いの場、楽しみを提供しています。各地を巡ってみると違いがわかって面白いです。

咲くやこの花館の成り立ち

ここで最後に、咲くやこの花館の成り立ちを知る、面白いイベントがありますのでご紹介します。

1990年に開催された国際花と緑の博覧会に関するお話が聞けるそうです。

咲くやこの花館の2階展示室前の図書コーナーには、博覧会に関する資料がたくさんあります。とても見ごたえのある資料で、当時の様子が記録されているのですが、直接その時の様子を当時の職員さんがお話してくださるらしいです。(ガイド付き)レアなイベントです。

11月2日(土曜)・3日(日曜)13時00分~13時40分(各回10名限定)

その職員さんは実は、現咲くやこの花館の谷川課長です…面白い話が聞けるのではないでしょうか。当時の職員さんはわずかしか残っておらずで、貴重な機会になると思います。

10月19日から受付開始です!

もしイベントに参加できなくても、当時のラフレシア採取のビデオ上映なども行っているそうです。

植物の色変化のお話

小さな花がたくさん集まっているランタナ(七変化)というお花を見つけて、不思議だな~と検索される方も多いのではないでしょうか。

今日は植物の色のお話をランタナやアジサイ、くちなし、バラの花などを取り上げていきたいと思います。

ランタナ(七変化)

写真は鹿児島県指宿市にあるフラワーパークに咲いていたランタナです。

皆さんが普段見られているランタナと色が違いませんか?

赤が濃いんです。このランタナは植物と色の関係において研究を続けてこられた先生にお見せしたところ、「赤い品種」ではないか…との話もありましたが、赤い花の奥に移っている花が(ぼやけてはいますが)関西などで見かけるランタナ(七変化)の色と似ています。

ランタナといえば、黄色⇒オレンジ⇒赤みがかったオレンジ⇒赤に近くなる、色がまさしく七変化する植物です。

私はとってもランタナが大好きで、色が変わっていく様をいろんなところで見られてすごくうれしいのですが、一部ではうっかり植えると大きくなりすぎて困る、増えすぎるから邪魔になる、という声もよくあるのだとか…(フラワーパークのガイドさん談)

しかし、鹿児島フラワーパークでは職員さんたちもランタナがとても好きだそうで、いろんなところで見られました!しかも売店で苗も販売されていましたよ。

アジサイ

色に注目が集まる話でいうとアジサイが有名ですよね。

アジサイの色素はアントシアニンで赤、青が表出します。

土壌中にはアルミニウムが存在し、土壌が酸性にかたよるとアルミニウムが溶け出してその成分を吸い上げます。アジサイの花(正しくはがく)に移行すると、表出する色は青になります。

土壌がアルカリ性の場合、アルミニウムは不溶性のため吸収されずに赤や桃色となります。

そのため、赤のアジサイ、青のアジサイ専用の肥料があったりします。肥料によって土壌の酸性アルカリ性に影響して花の色を変化させることができます。

くちなしの花

いろんな植物において、お花が咲いてから時の経過により一般的に色素量や濃度変化で、色も濃くなることがあります。くちなしの花も、咲きたては真っ白ですが、時間がたつと強い香りを放ち黄色⇒茶色に変化します。

くちなしの色変化もとても面白いです、劣化で痛んでいるから色が変わった、という認識で終わってしまえばそれまでなのですが…それは色素としてはどうなっているの?と疑問を持つだけでも街で見かける何気ない植物にも関心がわきます。

バラの色変化

バラの花の色変化で面白いのが、アンネフランクという品種。

アンネのバラの教会(兵庫県西宮市甲陽園)のバラのお庭。アンネのお父様から寄贈されたバラから増やしたバラたちです。※5月連休あたりに満開を迎えます。

蕾の時は赤色、開花するとオレンジ色に黄色がかったいわゆる黄金色で、さらに時間の経過とともに日差しを浴びて、花弁の先から次第にサーモンピンクに変色し、さらに濃く変色して赤色に近くなります。 色の変化は寒暖の差が激しいほど鮮やかで冴えます。

引用:アンネのバラの協会ホームページ【アンネのバラ】https://www.annesrose.com/index.html

咲き終わりまでたくさんの色変化が起こります。

この色変化の色素の変化はどんどん調べていくと面白いのですが、その色変化が「なぜ起こる」のかについては、遺伝的にその植物一つ一つに組み込まれているもので、それぞれがいろんな理由によるものである、とのことです。

遺伝的に組み込まれている、ということは、生きるために必要だったということなのでしょう。

カナメモチの木

例えば、若芽が真っ赤な植え込みの木があるのを見たことがありますか?

カナメモチの木で、最近レッドロビンという品種が植え込みに採用されていて、よく見かけます。

※画像引用:https://www.uekipedia.jp/%E5%B8%B8%E7%B7%91%E5%BA%83%E8%91%89%E6%A8%B9-%E3%83%8F%E8%A1%8C/%E3%83%99%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%A1%E3%83%A2%E3%83%81/#google_vignette

基本きれいに刈り込まれた垣根は緑色ですが、若芽が成長すると赤い葉が混ざります。5月の新緑の時期にクリスマスカラー??と思ってしまいました。

でもこの若芽が赤い理由は、アントシアニンという成分が関係しています、まだ弱い若い葉を紫外線などから守る役割を果たしています。

植物が生き抜くための仕組みですよね。それぞれの植物の進化の過程でその遺伝情報が必要だったと考えると、なんとも奥深いと思いませんか?

まとめ

ざざっと、植物の色に関する情報を載せてみました。答えは【遺伝子的に】という内容が多くて、色素がどのように変化したのか、という内容までは追えないのですが、植物の色、特に花の色に関するロマンは果てしなく続きます。ひまわりの花の色一つとっても、オレンジ味が強い品種、明るい黄色の品種など様々な品種が改良によってみられるようになっています。

青のカーネーションがサントリーから発売されたときも話題になりました。

皆さんも、身近に見かける花の色、気になるものがあればぜひ情報をくださいませ。お待ちしております。

植物園での取り組み(蓮の葉アートワーク)

咲くやこの花館からご依頼を受け企画した蓮の葉アートワーク。

アート×植物。植物をつかったアートで、違った視点から植物を生活の中に取り入れてみましょう!という意図で企画して、2023年度は1月〜3月まで、2024年度は4月〜9月まで開催しました。(咲くやこの花館の屋根の大改修工事に伴い10月〜休止中。2025年度は未定です)

本物の蓮の葉とインド菩提樹の葉を特殊なボンドでパネルに貼り付けていただき、蓮の葉や葉の部分にアクリル絵の具で着彩をしていただきます。

工作のような要素もあり、とっても楽しいアートワークです。

着彩も筆ではなくスポンジでしていくので手軽に遊ぶ感覚で色付けをできます。

仕上がった作品はこんな感じ。画材は同じものを使っていても作品は十人十色。

参加してくださった方は、作品の仕上げ材を乾かしている間に植物園内を散歩したり、ぐるっと回ってこられてから、楽しみ方を訪ねてくださったりしてくださって。そのおかげで私もしっかりとお答えできるように、館の方から日々共有いただいている植物園内の植物のこと、その他”植物園とは?”を、直接お伝えできるいい機会になっています。

咲くやこの花館での取り組みは蓮の葉アートワークだけにとどまらず、範囲を広げて一般の方に楽しんでいただく観点から数回の企画を運営させていただきました。

その取り組みに関しても、回を重ねるごとに想いは深くなっていきます。

植物に囲まれ、アートをつくる、想い出を持ち帰る、そういった体験の場をご提供させていただき、少しでも参加者の方が植物に対する気持ちを育んでいただく、また豊かな暮らしを感じていただければと思います。

他にも

  • サボテン展のブース企画
  • 虫を食べる植物展ブース企画
  • 3月植物まるごとfesta企画
  • 6月花蓮睡蓮展館長館内ツアー&葉っぱのアートワーク

を担当させてもらいました。

蓮の葉アートワーク企画に関しては詳細はこちらです。(咲くやこの花館だけではなく各地で開催できます。お問い合わせはお気軽にお寄せください。)

お問い合わせはコチラから

植物恐怖症

私は、植物が好きです。

でも、植物が好きでこんなにも夢中になったのは近年のこと。なので、お花や木の名前も詳しくない。小学校の時も特別理科が好きだった覚えもありません。

ただ、この年齢になって”とにかく植物が好き”と思えるようになったのは、マチの景色をみて『美しい』と感銘を受けた経験が一つの大きなきっかけであることは間違いありません。

もともと、都会は建物を建てるため(高層であれば強靭な基礎工事も必要)どんどんコンクリート化していき、そのなかで街づくりや、景観の観点から植え込みをします。

植え込みという一部のグリーンに心ときめくのは、周りにたくさん”緑がない”からだと思います。

大きな植物への恐怖

先日鹿児島に行った際に、植物に恐怖を覚えました。

夜景を見ようと、小高い丘の上にある展望台に行くために、近くの駐車場に車をとめて展望台へ向かいました。

しっかり、舗装もされていますし、夜も多くの人が訪れるようなスポットなのですが、暗い夜道にざわざわと風に揺られる楠の木を前方に感じた瞬間、ものすごい恐怖に襲われました。

自分の何倍もあるような大きな木が目の前にあり、大きく風に揺られている。それだけなのにどうしてそんなに恐怖を感じたのでしょうか。

潜在意識の中から記憶がフラッシュバックして直感的に恐怖や不安を覚えることはよくあることといいます。

実際、特定の植物に対して恐怖を抱くひとは、一定数いるのだとか。(参考:『植物考』藤原辰史著、2019年)

みんながみんな、グリーンをみて癒されるわけではないし、心地よい、美しいと感じるわけではないのです。

私も植物のことが大好きで、毎日頭の中は植物のことだらけですが、お恥ずかしながら大きな木や、山の中など圧倒的な大自然は実はかなり怖いのです。

大きく育った杉の木の森なんかは想像しただけで、ぞくっとしてしまうほどです。

今回は鹿児島の展望台を例に出しましたが、過去には高野山の奥の院の杉の木が立ち並ぶところで、いてもたってもいられずに走って通り抜けたことがあります。

こんなことで、自然がすき、とか植物が好き、と言えるのでしょうか、と自分でも思いますが、私のこの恐怖は”畏怖”であると最近は納得しています。

圧倒的なもの、神聖なるもの、人間の力を無力と感じたときに出現する素直な感情。まさにそれです。

まとめ

例えばこの記事に、『植物恐怖症』という検索でたどりついた方には、まったくなんの解決にもならないような記事になっているとは思いますが、何が原因かわからない特定の植物に対する『ただの恐怖心』であれば、心理カウンセラーなどに相談されるといいと思います。

だいぶ今日の記事は個人的なお話にはなりましたが、植物恐怖症という言葉を知っていただく機会にはなったかな、と自己満足しておこうと思います。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

落ち葉問題

落ち葉問題
落ち葉問題

鶴見緑地公園内です。落葉高木がたくさん茂っているので落ち葉がかなり落ちています。

この落ち葉、実は木にとってはとてもありがたいものなのだそうです。写真のようにそのままにしていていい箇所は、ぜひそのままにしておいてあげてほしいものです。(そのままがいい理由は、落ち葉の下には地面があり、木の根っこが育つ土があります。その土には栄養も水分も必要。そして土の柔らかさも必要です。落ち葉が落ちて土の上にかぶさると、そこに部生物が発生し分解を始めます。土には栄養が蓄えられ根はその養分を吸いあげます。栄養が良い気はおのずと葉もたくさん茂りますので、たくさん二酸化炭素を吸ってくれます。

いい循環だと思いませんか?

ただし人の通るところでは、落ち葉を清掃することは必要と判断されて、きれいに整備してくださる方がいます。

暑い中、熊手で落ち葉を掃きだしてくださっています。

私は、落ち葉は木の栄養のために残しておいてほしい!なんて一言では言えません。

秋になれば、落ち葉を拾って遊ぶ子供たちがいます。

アスファルトの上に落ちた落ち葉を邪魔だ!と苦情を言う人もいる。

落ち葉を暑い中お掃除してくださっている人もいる。

落ち葉を腐葉土にして有機肥料として使用している人もいる。

ただ、いろんな人がいるのだ、ということを、今一度振り返って知ってほしいのです。

いろんな立場のいろんな人がいるから、一方高からの批判が必要だとは思っていない。ただいろんな視点をもって、身の回りのことを少し考えてほしいのです。

ドイツの落ち葉対策

最近読んでいた本に興味深いお話が載っていたのでシェアします。

ドイツのハンブルク市のお話。

落ち葉は清掃業務の部署が管理をし中心部では市の部署が管轄しますが、市街地の歩道に関しては、土地の所有者から清掃のための税金が徴収され、間口の長さと清掃頻度が基準となり税金が決定しているのだそうです。

(参考:『街路樹は問いかける-温暖化に負けない〈緑のインフラ〉ー』著・藤井英二郎ほか 岩波書店、2021年発行)

すごいシステムですよね。市街地に住んだら隣接する歩道の落ち葉のために税金を支払っている。ハンブルク市だけではないそうなので、ここでも街路樹に対する意識って日本と大きく違っていると感じませんか?日本でそんなことをしたら、なんで税金払わなきゃいけないんだ!!とお怒りの声が起きそう。でも、このシステムを受け入れて支払うことでその土地に住む市民は緑や町の景観に貢献している、貢献している意識を持っているのだと思います。

日本の落ち葉苦情

先日、樹木医の先生のお話を聞きに行ったとき、なぜ街路樹のカタチが崩れているのか、というお話の中で、市民からの苦情で「落ち葉が多いから木を植えるな、切ってほしい」という声が多い、というお話を聞きました。びっくりしすぎて声がもれました。

しかし、「そんな苦情はおかしい!」と声を大きく言えない自分もいます。

はて、自分の家(マンション)の前に街路樹があって落ち葉がすごくてグジュグジュしていたらどうだろう。木のせいにしてしまうだろうか…。それとも人知れずお掃除するでしょうか。

だまって落ち葉を何年も掃除してくれている人もいるはず…自分は何もしないのに。

何もしない自分は、苦情を言っている人と同じではないのか?とか、いろいろ考えさせられました。

木蓮の花

一つ思い出したことがあります。

そういえば私が若いころ、大きな木から白い花がどんどん落ちてきて、人が踏むから地面が茶色になるのです。白い花と踏まれて茶色になったところが何とも汚い(汗)と思ったことがあり、あの花が咲くころは汚くなるんだよね~咲かないでほしいな…とひそかに思っていました。まさに落ち葉の苦情を言っている人と心の中は一緒ではないか!!

植物へのまなざしを育みましょう!と言っている私が過去こんなことを思っていたなんて、お叱りを受けそうですが、植物への学びにより視野を広げたからこそ分かったことがあり、感じたことがあるのです。

まとめ

今回は落ち葉の話でしたが、いかがでしたか?

皆さんの住んでいる周りや、お仕事されている周りで、誰にも言われなくても日々落ち葉と格闘している方はいらっしゃるかもしれません。

少し周りを見渡してみましょう。

植物を通して皆様の暮らしを感じてみてください。違った見方ができるはずです。

私は植物への学びを通して、だんだん視野が広がったおかげで、植物に向けて優しい気持ちを持てるようになりました。そしてだんだんと人にも優しくなれている気がする。

そんなまなざしを皆様にもシェアして、穏やかに暮らしていただきたいと思っています。

考えてみてほしい『植物のカタチ』#02 マンション下の植え込み樹木(大阪市内2024.08)

プラタナスの木(大阪市内)

写真の木はプラタナスの木です。

成長が早く葉が茂るので、木陰を作ってくれるような木です。

しかしながら、街路樹で見かけるプラタナスは、こんな風になっていることが多いです。

枝が成長して邪魔になると、切られてしまうのでしょうね。この写真に限らず、幹がまっすぐに伸びずに、こぶがボコボコしているようなプラタナスが多くて、無知な私はプラタナスはこういうものだ、ぐらいに思っていました。

分類は落葉高木です。冬は葉が落ちるので、お掃除などは大変ですし、狭いところには少しかわいそうな植物かもしれませんね。

新緑は柔らかい緑色で、かわいい形の葉が付きます。秋になると黄色に変化するのでとてもきれいです。

西宮の山手幹線沿いに見事に茂ったプラタナスの木を見ることができます。またその写真も撮影できれば掲載しようと思います。この木のカタチと見比べていただければ、その違いに驚くかもしれません。

大阪市と西宮市の景観の違い(参考:西宮『緑の基本計画』)

西宮の景観
西宮の景観
西宮市(夙川近郊の植え込み)

私は、通信制の大学(京都芸術大学の通信課程)にて、デザインや芸術などへのまなざしを養うために学びを続けています。その学びの中で都市デザインについて興味がわき、自身の住まいや働いている場所の街路樹について調べ始めたのは2024年4月ごろです。

春、夏、秋、冬とその季節によって木々はどう移ろうのか。街の景観と植物の関り、貢献、もしくはデメリットはどのようなものなのか。

そんなことを思いながら、通勤や散歩をしています。

大阪と西宮の違い

大阪の街を歩くとき、西宮市内を歩くとき、明らかに植えられている植物が異なること、また木のカタチが違うこと、に気づきました。

『何がちがうのか』

具体的に知りたくなったきっかけは、初夏が訪れ感じた、大阪の街の暑さです。

明らかに西宮市を歩いているときと、大阪市内(南森町)あたりを歩いているときの体感温度が違う気がしました。木が茂っている場所が多い西宮は木陰が多く、アスファルトがあっても逃げるところがあります。一方、大阪は木は植えられていますが葉が茂っていないので涼しいのはビルの陰…ということが多いのです。

あとは、木の種類が大阪は単一的で、西宮市は多様。そして西宮市の植え込みには「〇〇の会がお花を植えています」などの標が設置されていることが多い。調べると、ボランティアで植物のお手入れをされている方が多いようです。反対に、大阪ではこのような標は、ほぼ見かけません。

西宮市の取り組みを調査

西宮市の図書館の職員さんに相談して、私が調べたいことについての資料を書庫から出していただきました。

≪参考図書≫

  • 『緑の基本計画』2002‐2022 西宮市環境局環境緑地化部公園緑地課
    文教住宅都市を基調とする個性的な都市~活力と希望に満ちた西宮をめざして~
  • 『花と緑 うるおいのまちづくり デザイン手法』西宮市植物生産研究センター
  • 『西宮市景観保護樹林調査報告書』
  • 『西宮市都市景観形成基本計画』

こういった本の内容をわかりやすく要約した内容に加え、皆さんにどのようなまなざしを持ってほしいのかをシェアしたいと思っています。

樹木の選定と健康状態について

『西宮市景観保護樹林調査報告書』によると、市の主要な箇所・神社や公園など(景観樹林保護地区)での樹木の種類と生育状況、本数を調査し、そのデータを参考にして景観保護樹林の周辺地域における樹木の選定における基準を徐目選定を行う、という目的だと記載がありました。(ただしこの本は1980年発行のものでその後もその調査による基準を継続してあてはめているかどうかはわかりません。)

西宮市は南北に”ひょうたん”のように長い地形のため、南と北では適正な樹木が異なるだろうという予測の元調査を行ったのです。その地域に適している樹木はデータ上明らかですし、本数や木の状態について細かい記録が残されていました。

その土地に、適正な樹木を植えるというのは、基本中の基本のように感じますし、海外(ドイツ)では市民の中で育成されたボランティアによる樹木調査が行われ、木の健康状態などがデータ化され手入れや選定方法をその地域の上役が支持をする、などの取り組みが行われているそうです。

日本でそのような話を聞いたことがあるでしょうか?

西宮市ではそれが1980年時点には行政が神戸女学院大学に調査を依頼して実行したようですが、その後の情報については今現在たどり着いていません。

今後調査していきたいことの一つです。

都市デザインと花と緑

都市というのは人が暮らす場所。建物もたちますし、道路も通ります。お買い物をするお店もたちます。

西宮市の都市計画の資料を見ると、西宮市の自然が多い地域であるという特徴を踏まえて計画され、取り組みの主体となるのは専門家(大学教員やコンサルタントなど)・活動団体(NPO法人や民間団体)・事業者(企業活動や開発事業を担うもの)・市民等・行政・教育機関、という景観形成に関わるであろう全ての人々で、相互に協力し合い、連携し支え合うことが大切である、としています。

決して行政だけが主体となるのではなく、商業施設を立てるとき、家を建てるとき、都市開発を行うとき、道路を作るとき、すべての場面でこの計画が基準として守られてきたことが、西宮市内の景観が美しい理由だと知りました。

やはり、美しいのには理由があったのですね。

方針・施策(体系)・明確な目標・みんなで実行

こうしよう!こうありたい!という目標は聞いていて、それはいいね!と思うことはできても、その成果がわかりにくくなり、達成の実感は人それぞれ違ってくるかもしれません。

しかし、西宮市は目標達成を20年後として2002年に計画しました。(今この記事を書いているのは、2024年です。)

年次平成13年
(現状)
平成24年
(中間年次)
平成34年
(目標年次)
緑地率15%20%30%
(『西宮市緑の基本計画』p.9より引用)

このような目標だったようですが、結果はどのようになったのでしょう。

WEB上で情報を探しましたが具体的な数値は確認できませんでした。ただ、2018年に計画の見直しの検討会が行われるなど、その時代や環境の変化に合わせて方針の見直しを行っているようです。

この緑地率についても今後調べていきたいことの一つです。

まとめ

西宮市の場合は、「緑の基本計画」が体系立てて施策実行されてきた経緯から、自然や景観についてのまなざしが養われているのではないか、と想像しました。そのため、市民活動に関心も高く、緑に関するボランティア活動も盛んであり、街路樹などに対する意識も違うのかもしれません。

西宮の例を挙げたのですが、大阪でも基本的な取り組みは必ずしているはずですが、大阪府の街路樹関連の仕事をされてきた方のお話を聞く機会があったのですが、市民からのクレームがかなりあるそうです(落ち葉や倒木、邪魔だから切ってほしいなど)。

それでは、大阪市としてはその対応を行うことも必要になってきますね。

街路樹に関して、植えることへのメリット・デメリットのお話も付きまといます。クレームが緑あふれる都市計画を崩してしまう一つの原因ではありますが、それだけではありませんので、『クレームを言うな!』という単純な話ではありません。

少しでも、自分の住んでいる地域の街路樹や、緑地、山などを違った目線でご覧になってみてください。その地域の取り組みに少しだけ目を向けてほしいと思います。

その一人一人の意識、まなざしを育てることが、少しだけでも皆様の幸せへとつながるようにと願っています。

考えてみてほしい『植物のカタチ』#01 公園の木・植栽(大阪市内2024.08)

大阪市内とある公園の植栽です。

低くなった垣根の謎

とても美しい垣根だったんです。多分土台と合わせると2メーターくらいになっていたと思います。大きな植え込みだったのが夏祭りの少し前に、大掛かりに刈り取られました。

  • まさか夏祭りの開催のためじゃないよね?
  • 植え込みの高さがあって見通しが悪くなり、公園の安全面の観点から切られたのかな?
  • 病気になってしまって切らないといけなかったのかな??

なんで切られたのかは、私にはわかりませんが、見ていて何か感情が揺さぶられたことは確かです。

批判もしたくないし、問題視もしたくない、ただこの現状を記事にしたためて、見た人にも何かを感じて、関心を持ってほしい、そう願っています。

公園管理局に電話したら教えてくれるかも…と思いながらもそのままになるのは、きっと誰しも同じだと思います。皆さんも『なんで??』と思ったことあるんじゃないでしょうか?

こんなにここだけ枝が伸びる?

桜の木ですが、枝が1本だけスゴイ伸びてます。しかも葉っぱはほぼないです。
『ひこばえ』『胴ばえ』もすごいです。根がくるしがっているのかな?

木のそばの地面を見てみると、植え込みのコンクリートで囲まれた下の部分から根が見えました。根が伸びることができる場所を探して頑張っているのかな。

そして大きく高く伸びた先端の枝の葉まで栄養をおくれなくなって、光合成エネルギーをどこかで賄わないと!と、木の幹の途中からや、根っこに近いところから枝と葉を出し、何とか生きようとしているみたいです。

裸の銀杏(イチョウ)の木

ついおととしの秋には大きく広がった枝から見事な葉が色づきヒラヒラと舞い落ちて美しい大きな銀杏(イチョウ)の木でした。

それが昨年の秋、黄色く色づく直前に突如枝を丸裸にされてしまって、この時は正直涙が出ました。

理由はわからないままです。落ち葉の管理が大変だったの?何か不都合があったの??

この夏、銀杏(イチョウ)は何とか緑の葉をつけていますが、光合成できずにどんどん弱るかもしれません。

若い木をそばに植える意味

で、これまたびっくり、その銀杏(イチョウ)の木の下あたりに他の種類の若木が…。

また大きく育ったら切られちゃうかもよ?こんなに狭いところに4本も育つのかな??など疑問は膨らみます。

まとめ

この記事を見つけて読んだ人には、

これだから市がやっていることは!!

とか、

市民に説明は?

とか怒りを主張してほしいわけではないのです。

公園ひとつでもこんな現状があることを知る、これが大切だと思います。

  • いつもは忙しくて見向きもしない
  • 緑…あったような気がするぐらいの記憶
  • 木が切られて風景が変わっても別に…
  • 樹木の恩恵を意識しない

もともとそういう方でも、知れば何かが変わるはずなので。

皆様の植物へのまなざしが、少しずつ育まれますように、願いを込めてコツコツと情報発信を続けていけたらと思っています。