「咲くやこの花館」を紹介します。
鉄骨造でガラス張り、斬新なデザインの温室を備える2階建ての植物園です。大阪の中心大阪駅(梅田駅)からも1時間以内の場所にある立地から多くの人に親しまれて30余年。
館内では、植物愛好家、咲くやこの花館の自主開催展示など、さまざまなイベントが開催されています。
大阪市の日本国内でも最大級の温室を備えた植物園です。
最寄り駅は、大阪市営地下鉄:鶴見緑地線「鶴見緑地駅」または「横堤」から徒歩15分程度。
1990年(平成2年)4月1日~9月30日の183日間、鶴見緑地で『国際花と緑の博覧会」が開催されました。その際に「咲くやこの花館」が誕生。その後も市の植物園として存続し、大阪の名所として親しまれています。
もともと鶴見緑地という土地は、湿地帯でした。元大阪市役所の職員さんにお話をお聞きしたところ、この土地に飛来する「鶴」を「見る」スポットだった…とのお話も。
湿地帯に咲く睡蓮をイメージして、咲くやこの花館のデザインがされたそうなのですが、詳しくは「ヒツジグサ」だそうです(館長談)
※この記事の最後にヒツジグサのお写真も掲載します。
温室には4つの植物室があります
4つの植物室については、咲くやこの花館HPでご確認くださいね。
https://www.sakuyakonohana.jp/botanicalmap/?cat=alpineplant
総ガラス張りの日差しの入る植物園
写真にあるように、天井は総ガラス張りです。
日差しも存分に差し込み、室温も一定に保たれているので、もちろん冬も暖かいです。冬のお散歩にはかなりおすすめです(コートを脱いでお散歩しましょう)。
夏はさすがに日差しが強い日は汗をかくぐらいに熱いですが、熱帯植物エリア、サボテン・多肉植物エリアを抜けると高山・極地植物室などもあるため、少し休むこともできます。極地植物室のあたりのベンチで休んでる方をよく見かけます。
高山植物室には小さくて可愛らしい植物がいっぱいです。
職員さんのアテンドがすごい
植物の種類は言うまでもなく、ものすごい数あります。
開園当初は、これほどの熱帯植物が一度に見られる施設は、日本国内初だったそうです。
ところせましと茂って、植物がつやつやしていて、本当に大切に栽培されている。
…というのはどこの植物園も同じだと思いますが…!
でも、咲くやこの花館のすごいところは、なんといってもスタッフさんの「アテンド」です。植物を見ていると、職員さんがテーマパークなみのアテンドをしてくださいます。詳しいし、面白いし、興味がわきます。そのような植物園は、他にはまだ体験していません。
若い人も楽しめる写真スポット 『トトロの葉』設置!
最近は、この大きな葉が入口に数本用意されています。
若い子たちが園内で写真を撮る様子を見かけます。いわゆる映える写真が撮れるそうです。
このようなきっかけであっても、植物園に、または植物に興味がわいてくれて、何度も足を運んでくれたらいいですよね。
ロータスガーデン・水生植物室
さて、水生植物室には、熱帯睡蓮がお花を咲かせています。
睡蓮は、実は古代からある植物で、古代ギリシャの壁画に”お花”のように描かれているのは睡蓮なのだとか(館長談)
その壁画のモチーフになった睡蓮も見ることができました。
花が遠くて見えにくいのですが、赤紫のきれいなお花でした。
エジプト壁画には多くのロータス文様が描かれております。ロータスと聞くと蓮を思い浮かべますが、文様においては蓮と睡蓮の総称です(植物学的には明確に蓮と睡蓮は別のもの。)
そういえばチベットの方に聞いたのですが、「お花」のことは全部「ロータス」と呼ぶらしいです!
館内の植物の紹介をしすぎると、ただただ長くなってしまうため、このあたりでいったん終了といたします。
最後に紹介「ラフレシア」の花
国際花と緑の博覧会の際にも話題になった、世界で一番大きな花の標本「ラフレシア」について。
大量の樹脂で固められて保存されたラフレシアの花ですが、本来は赤い花。
樹脂で固めた段階でほぼ茶色です。色は制作された当時の資料を確認したのですが、もう少し濃い赤茶色でした。著作権の関係で写真を載せたりができないのが残念です。
本来のラフレシアの花はどんな色なのか…というとポケモンの「ラフレシア」ぐらい。
写真:国立環境研究所ホームページ【世界最大の花・ラフレシアの新産地とその生態の解明 ~地域社会による生息域内保全の促進に期待~】よりお借りしました。https://www.nies.go.jp/whatsnew/20220301/20220301.html
色鮮やかですね。死ぬまでに見てみたいけど、結構出会うには大変な思いをしそうです。
このラフレシアの樹脂固めの模型。暗いところに光に照らされて展示をされているので、前を通る子供さんが、「怖い汗」と言ってるのをよく見ます。めちゃくちゃ大きいので、そりゃ怖いですよね。
展示に仕掛けがあって、正直真上から見ないと大きさや形などは見えにくいので上部にミラーがついています。そのミラーで全体像を見られますよ。
まとめ
咲くやこの花館の中で仕事をさせていただくこともあり、行く回数も年に何度もあります。
何よりも好きなので、プライベートでも休日に出かけたりします。
そのたびに植物の見どころが違いますし、何度伺っても全然飽きません…
皆さんもぜひ、春、夏、秋、冬、訪れてみてください。
温室だけではなく、温室周りにある外のコーナーも実は見どころたくさんあります(ハイビスカスや、イングリッシュガーデンなど)
また、青いケシのお話もしたいのです。Instagramに美しい写真を掲載されている方がいらしたのでご覧ください。
咲くやこの花館については、何度も書き記そうと思っています。
最後に咲くやこの花館のデザインモチーフになったといわれる「ヒツジグサ」の写真をどうぞ。咲くやこの花館では見つけられなかったので、京都の山科植物資料館のお写真を。
筆者撮影:京都山科植物資料館(日本新薬という会社が運営する植物資料館です)
https://yamashina-botanical.com/
大阪市鶴見緑地公園内「咲くやこの花館」概要
■ホームページ
〒538-0036 大阪市鶴見区緑地公園2-163
電話:06-6912-0055
■駐車場のご案内
花博記念公園 鶴見緑地「中央第2駐車場」が最寄りの駐車場になります。
※咲くやこの花館には専用駐車場はございません。
料金など詳しい情報、お問い合わせは花博記念公園 鶴見緑地ホームページの駐車場情報をご覧ください。
※追記:鶴見緑地でイベント開催時は満車になり、入場に時間がかかることもあります(稀ですが)もし時間に余裕がない場合は鶴見緑地内で大型のイベントが開催されていないか確認しましょう。
■バスをご利用の方
- 大阪駅前から… 市バス36系統(地下鉄門真南行き)で「鶴見区役所前」下車
- 京橋北口から… 市バス36系統(地下鉄門真南行き)で「鶴見区役所前」下車
- 天満橋から… 市バス46系統(焼野行き)で「鶴見区役所前」下車
- 京阪守口市駅から… 京阪バス19経路(鶴見緑地行き)で「鶴見緑地」下車
- 地下鉄都島駅、野江内代から…市バス45 系統(諸口行)で「鶴見緑地公園前」下車
時刻表・路線図は大阪市交通局、京阪バスのホームページをご確認ください
■開館時間
10:00~17:00(入館は16:30まで)
■休 館 日
基本、月曜休館(休日の場合はその翌平日)及び 年末年始(12月28日から1月4日)
■入館料
大人500円
※中学生以下、身体障がい者手帳、精神障がい者保健福祉手帳、被爆者健康手帳、戦傷病者手帳、療育手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)、大阪市内在住の65歳以上の方は無料【要証明(生徒手帳、健康手帳、敬老優待乗車証等の原本)】
30人以上は団体割引あり。
■年間パスポート
1枚2,500円(券売所にて販売)※プレゼント付き
期間中何度でも入館できる「年間パスポート」で、植物の様々な表情をお楽しみください。
[使用期間]購入日から1年間(署名されたご本人さま限り)