植物園が存在するわけ

全国に植物園がありますが、皆さんはなぜ各地に植物園があるか、考えたことがありますか?

私はつい何年か前まで、植物園にわざわざ足を運ぶことはなく、公園で草木を眺めたり、家で観葉植物を育てたりするぐらいでした。

初めて咲くやこの花館に行ったとき、各温室に栽培されている植物の美しさに感動したのを覚えています。

その後、ご縁あり咲くやこの花館で月一回のアートワークをさせていただくようになりました。

仕事で通ううちに、ふと【なんで植物園て各地にあるのかな?】と疑問に思いました。この時私は勉強不足としか言いようがありません…

植物園の歴史を見ていくうちに、関西でいえば

  • 100年の歴史を誇る「京都市植物園」
  • 50年の歴史ある「長居植物園」
  • 1990年に開催された国際花と緑の博覧会のメインパビリオンとして誕生した「咲くやこの花館」

それぞれに成り立ちが違い、そのあたりにも面白さを感じます。

植物園の役割

さて、植物園の役割ですが、

  • 生きた植物の収集・保存・展示
  • 植物の知識の普及と社会教育
  • 憩いの場を提供
  • 植物の調査・研究
  • 植物多様性の保全

植物園には以上のような役割があります(大阪園芸大学9月講義「植物園でめぐる世界の旅」島田有紀子先生の講演より)。

大体上から4番目までは、想像がつくと思います。5番目の植物多様性の保全というのは少しわかりにくいでしょうか。

植物はさまざまな環境下で育っています。その一つ一つが大事な命です。様々な環境下で育つ植物の中には、時代と共に数が少なくなっている絶滅危惧種も多く存在します。

多様な植物を一か所ではなく、分散させて保全する必要があります。そのため日本植物園協会では、横のつながりを活用して植物の多様性保全活動に力を入れています。そして全国の植物園が連携をして、各植物園の得意な分野や、気候などを活かしながら種の保全に努めているのだそうです。

参考:日本植物園協会ホームページー植物多様性保全事業 (内容)

最近は撮影スポットとして人気の植物園ですが、植物園の存在意義については以上のように大切な種の保存を担っているのです。しかもさまざまな植物関連のイベントや展示をとおして、市民の憩いの場、楽しみを提供しています。各地を巡ってみると違いがわかって面白いです。

咲くやこの花館の成り立ち

ここで最後に、咲くやこの花館の成り立ちを知る、面白いイベントがありますのでご紹介します。

1990年に開催された国際花と緑の博覧会に関するお話が聞けるそうです。

咲くやこの花館の2階展示室前の図書コーナーには、博覧会に関する資料がたくさんあります。とても見ごたえのある資料で、当時の様子が記録されているのですが、直接その時の様子を当時の職員さんがお話してくださるらしいです。(ガイド付き)レアなイベントです。

11月2日(土曜)・3日(日曜)13時00分~13時40分(各回10名限定)

その職員さんは実は、現咲くやこの花館の谷川課長です…面白い話が聞けるのではないでしょうか。当時の職員さんはわずかしか残っておらずで、貴重な機会になると思います。

10月19日から受付開始です!

もしイベントに参加できなくても、当時のラフレシア採取のビデオ上映なども行っているそうです。